お金の話ア・ラ・カルト第.11回(迫る相続増税・普通の世帯が一番危ない③)
- By: Office-higashi
- カテゴリー: コラム
ファイナンシャルプランナー 東 廣義
今回は節税対策の一環として、『生命保険の活用』を考えてみましょう。生命保険の死亡保険金には『残された家族の生活保障』という観点から、一人500万円の非課税枠があります。
例えば生命保険金が3,000万円あって法定相続人が3名いたとします。500万円×3人(法定相続人)=1,500万円の控除が受けられます。3,000万円-1,500万円=1,500万円が『みなし相続財産』として(本来なら生命保険金は相続財産ではないが、税法上課税の公平を図るための措置)受け取れます。
しかも保険金は現金で支払われますので納税資金の確保や代償分割の際に(例えば相続財産が不動産しかなく、分割の際に揉める事例)相続協議がスムースに運ぶなどのメリットがあります。
次に契約形態によりかかる税金が違ってきますので気を付けましょう。例としてまずA契約者と(保険料を支払う人)被保険者(補償の対象になる人)が同じ場合、受取人は相続税の対象になります。
B契約者と受取人が同じ場合は、所得税の対象になります。C契約者と被保険者、受取人すべてが違う場合は、贈与税の対象になります。他に生命保険の特徴として、受取人の指定ができることです。
特定の相続人にたくさんの財産を残すこともできるし、相続人以外の人に財産を残すことも可能です。預貯金であれば相続人全員の同意が必要になりますが、生命保険金の受取であれば、受取人固有の財産となり、誰に憚ることなく遺産分割協議を待たずに受け取れることができます。
死亡保険金の受取人は、配偶者とするケースが多いですが、配偶者の場合、税額軽減等により、そもそも相続税がかからないケースが多いことから、子供を受取人にした方が税金面で有利になります。